人気ブログランキング | 話題のタグを見る

土建屋さんが来たらと思うと、心配でたまらない

山間地の主幹産業と言いますと…農業・林業・公共事業が挙げられます。

ですが、昨今公共事業はどんどん予算が削られている状況が続いています。美郷町も多分に漏れず、昨年の大雨による災害復旧工事のおかげで今年・来年はまだ大丈夫らしいのですが…それ以降は土建業者さんの仕事はあるのかな?という話を耳にしています。
(まあ、林業も国・県からかなりの割合で補助金が出ますのである意味、公共事業ですが…)

先日も話題に取り上げましたが、町の林業はしばらく環境保全関連の事業が見込めるので作業員を募集している状況です…って事は、土建屋さんの社員の方々が仮に職にあぶれてしまうという事態が起きた場合、その受け入れ先にウチの森林組合も可能性としては高いです。同僚が増えれば私としても嬉しい限り…


と、そんな世の中は思った通りに行くとは限りません。

別の可能性としては、土建屋さんがそのまま林業に鞍替えして森林組合の強力な競合相手になるという事も十分ありえます。そうなった場合、どうしても仕事が欲しいと入札価格をかなり低く抑えて多くの仕事をかっさらわれてしまう…というのも当然アリです^^;

でも、私の心配しているのは仕事を取られて自分の食い扶持が無くなってしまう事ではありません。そりゃ~私も仕事が無くなれば困りますけど、仮にそうなったら私が土建屋さんに雇って貰えますもん。はっきり言って、林業の経験が無い他業種のペーペーなんかに絶対負けません(*'へ'*) それに僅か数年の経験でも、経験ほぼゼロの雇う側には貴重な筈ですから、それはそれは大事に扱ってもらえるでしょう。


私の心配事は、ですね…
安く受注された仕事を、経験の無い業者が力任せ・デタラメ・適当にやってしまう事。
それによって山林が取り返しもつかないほどボロボロに荒れ果ててしまう事。

これに尽きます。

例えば、造林地に重機が通れるような幅3~4メートルの作業道を作るという仕事があるとします。土建屋さんは重機を複数持っていますし自分達の得意分野だ!と嬉々として請け負うかもしれません。
でも、車が通る事を優先した一般道を作るのと、山林を伐採する事を目的とした作業道を作るのとでは訳が違います。ただ山肌を切り崩せば良い訳でもなく、コンクリを使わないで大雨が降っても崩れないような道を作らなければならない訳ですよ。山中にトンネルを作るのとはまた違ったノウハウが必要になります。

また、造林するために地拵えを…という仕事を請け負った場合はもっと心配です。ただ山肌をキレイににすれば良いと思って、重機で山を切り崩して平らにしたうえしっかり踏み固めてしまうかもしれません。そんな事をしたら苗を植えるにもクワが入らないかもしれないし、苗を植えつけても根が踏み固められた地面に伸びていく事が出来ず…樹木が生長しないままハゲ山になってしまう可能性すらあります。

要するに、林業に携わるにはその為のノウハウが必要で、それは容易く手に入れられるモノでは無い…山林から良質な材木を伐採して出せるようにするのが林業です。土建のやり方では絶対に上手くいかないしそれこそ環境破壊を促進する事になりかねません。


いつもの私の悪い妄想だけなら良いのですが…これは事務所で話をしていた事なので、あながち私だけが持っている危機感では無いのです。
そういう事態にならないよう、私としては願うばかりです…これも杞憂で終わりますように、と(-||-)
by mah_dl650 | 2007-04-05 23:04 | 林業/造園


<< 農作物が燃料になり人が飢えるっ... 雪混じりの桜吹雪?! >>