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映画「森聞き」観てきました

先日のブログの予告どおり、ドキュメンタリー映画「森聞き」を観てきました。

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勢いで、Rajatonのサウンドトラックも買っちゃいました…ハハ(^_^;)


映画の感想ですが…
映画の内容は「聞き書き甲子園」という活動に参加した4人の高校生と、彼らが訪ねた森の名人達との交流を撮影したドキュメンタリー。

先日のNHKスペシャル(監督が同じ方だそうで)にも取り上げられていたおばあさまと北海道の山師さんがメインなのかな…私も立場的には高校生達の目線で観ていました。自分の知る事の無かった山での暮らしや知識・技術を、名人達を訪ね一緒に体験しながら聞き取って、それをドキュメントにすると共に自分の体験としてその後の人生の糧にする…正直、自分の高校時代にこんな体験が出来ていたなら、もっと早く山仕事の世界に飛び込んだと思います。観光で外側から眺めるだけでは絶対に体験する事の出来ない本当の山の姿を知る事は、高校生ならずとも大多数の日本人にも経験して欲しいと思いますね。

しかしまあ、急斜面の山肌を素手・ジーパン・スニーカーとICレコーダーという装備で歩き回る高校生って…本当に山での仕事を経験したことが無いのが判るのと同時に、必要最低限の危険回避の知識くらい教えてあげても良さそうなものじゃないないかなぁ…手袋やトレッキングシューズや山歩き用の服装とか(-_-;)

それにつけても、クニ子おばばの焼畑した急傾斜のソバ畑での農作業の様子や、スギの種を取るのにスルスルと登っていく名人の姿には感動を覚えます。この人達にしか出来ないであろう、長年ひたすら同じ事をやり続けた結果の技術や知恵にはほとほと頭が下がります。こういうものが、ただ今の世の中で不必要になっていくというだけの理由で、後継者も知識の伝承も無く(焼畑は息子夫婦が継承しているみたいですが)廃れてしまうのは、何か日本の歴史・良き所・無くしてはいけないモノが失われる…そんな印象を受けてしまいます。

かといって、名人達の技術・知恵は彼ら個人の生業を続けた結果身に付けたものだから、それを貴重な失うべからざる遺産としてより有効に受け継いでいく…そういうのは彼らの守備範囲外なんですよね。

「聞き書き甲子園」の取り組み、本当に続けていくべきだし、高校生に限らずもっと日本人として地域の民族技術やら知恵、そして何より歴史を大事に引き継ぎ積み重ねて後の世代に何らかの形で受け継いでいかないといけないと強く思います…世の中がネットで繋がって地球規模のコミュニケーションや経済が重要になってきても、所詮はヒト一個人はとても小さく、そして、大多数はその行動範囲や生活圏はほんの小さな地域に限定されるのが殆どです…であればこそ、地域社会の継続性や歴史の伝承っていうのは、おろそかにしてはいけないと私は思います。

都市部には、伝承するべき何者もないから、魅力を感じない。それも私が埼玉を出た理由の一つですが…理性ではなく感覚的に受け付けない社会を私から切り離したかったって意味で。


んまぁ、もしこの映画を観てみたいと思ったら、松江で11月27日にまた上映されるみたい(しかも監督の対談もあるらしい)なので…誰かと一緒に観に行ってもらえればと思います。それで何らかの感動や衝動が得られるならば、多分貴方は私と同類かもしれませんよ(^_^;)
by mah_dl650 | 2011-10-09 19:34 | 日記


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